教えて直樹せんせい 育児情報誌ママパパ

「赤ちゃんQ&A」(WEB版2025年3月・4月号掲載)

待ちに待った春になりましたね。あたたかくなってきたので「赤ちゃんと公園デビューするかな?」「子育て支援センターなどに遊びにいってみようかな?」「家では活発すぎて持て余し気味なのでお出かけしないと!」というママやパパも多いことでしょう。今回は、1歳前後の赤ちゃんの悩みについて、発達心理学の専門家で公認心理師(認定専門公認心理師)・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。皆さん参考にしてくださいね。

20年以上、県北地域で乳幼児の発達健診、発達専門相談などの事業を通して子どもの発達に携わっています。その経験をもとに、発達心理学や臨床心理学の視点からママパパ編集部に寄せられた皆さんの質問に答えたいと思います。
1歳の男の子なのです。叱ると、その時にはしなくなるのですが、また繰り返してしまいます。「しつけが大事」と思い、強く叱ったり、怖い顔をしますが、しばらくすると効果がないので、私の方がエスカレートしそうで不安です。

「しつけ」は、スタートするタイミングが大切です。一般的には、歩行がしっかりできるようになり生活範囲が広がり、ことばの数が増えてコミュニケーションができるようになることが「しつけ」を始める条件になります。発達心理学では、おおよそ生後1歳6か月を「しつけ」をスタートする時期としています。1歳だと、「しつけ」を始めるには少し早いのかもしれません。ただ、「しつけ」は、深い愛情関係(心理学では愛着形成)を築いたママやパパにこそできるものです。今は、しっかり目の前の子どもと関わりながらママやパパも楽しい時間を過ごすことを大事にしてください。また、「しつけ」は小学校に入学するまでの間、継続しておこなうものなので、ママとパパの連携がより大切になります。夫婦関係を見直したり、「しつけ」でストレスを抱えこみやすいママのストレス解消法を見つけるなど、この時期に準備しておくといいでしょう。

1歳2か月の女の子です。4月から園に子どもをあずけているのですが、毎回子どもが泣いてしまいます。初めての子どもで、今までずっと一緒だったので、私も寂しいやら悲しくやら、毎日あずけるときにつらい想いをしています。慣れると言われるのですが・・・。

「後追い」が続いているようですね。心理学では、ママやパパを子どもの「安全基地」に例えます。1歳2か月までママがずっと一緒だと、子どもにとって一番安心できる場所はママになりますかね?「その安全基地であるママから離れないといけない」「いつもママを確認したいけどできない」ことを理解しているので「泣く」のです。しかし、裏を返せば、親と子どもの間でアタッチメントができ、子どもが親に対して絶対的な信頼感を持つようになっているから「後追い」をすると言うこともできます。つまり、お子さんは、乳児期の重要な発達課題である「基本的信頼感」をクリアーして、次のステップに進もうとしているのです。また、アタッチメントは、保育園の先生との間でも形成されます。ママやパパが、保育士さんと笑顔であいさつをしたり、楽しく話をすることで、子どもも保育士さんを信頼できるようになります。ママがあまりにつらい時には、園への送りをパパにバトンタッチするのもおすすめです。パパと娘の信頼関係をさらに深めることにもつながるでしょう。

8か月の女の子です。最近、髪を触ったり抜いたりすることが多くなりました。遊んでいるようにも見えるのですが、私が注意すると必ず髪に手がいってしまいます。そのままにしていてもいいのでしょうか?

やっと自由に手が動かせるようなってきている時期ですね。手が自由になってくると、当然、つかんだりひっぱったりしたくなります。そこに自分の髪があると・・・子どもは「感覚」を楽しむ「遊び」として髪を触ったり抜いたりしているのです。ただ、新しい感覚なので「癖」になってしまうこともあります。その時には、紐がついたおもちゃなどに代替するのもおすすめです。あと、もう一つ大事なポイントが、ママやパパが注意する時に髪を触っている点です。もしかしたら?ママやパパの注意がまだよくわからず、ただ否定されているように感じて、不安になり髪に手がいっているのかもしれません。厳しく注意するのではなく、ゆっくりと優しく伝えてあげることを心掛けてください。ママやパパからの安心感が伝わりしだいに減っていくでしょう。

6か月の男の子なのですが、何でも口に入れてしまいます。最近は、ガリガリかんだり、よだれを出したり、なめたりしています。ネットで調べると「噛み癖?」と書いてあり心配しています。どうしたらいいのでしょうか?

5か月ごろになると子どもは何でも口に入れようとします。オーストリア出身の精神分析家であるフロイトも、生後12か月までを「口唇期・口愛期」と呼んで、子どもの衝動の中心が唇にあると言われています。ですから、テレビのリモコンやスマホはもちろん、興味がわいたものには何でもまっしぐら!スリッパも平気でなめてしまいます。この時期は、手にしたものが何なのか?唇や舌で確かめようとしているのです。五感が順調に発達して、知的好奇心が芽生えている証拠なので、危険がなければ大目に見てあげましょう。そして、子どもの好奇心を満足させることを優先することが大切です。ただ、口に入れてもいいのかどうか?は子どもには区別がつきませんから、ママやパパが気を付けてあげてくださいね。

 

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