子どもたちは、入園や入学、進級など新しいスタートの時期ですね。ママやパパも、転勤や再就職、異動など環境が変わるシーズンを迎えます。ママパパ編集部へも、子どもについての心配や新しい学校や園、職場での不安についてのメッセージが数多く寄せられます。そこで、「この時期を乗り越えるためのコツ」について、延べ300以上の小・中学校でスクールカウンセラーを担当してきた公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。
ストレスは、ストレスの原因である「ストレッサー」と身体やこころに生じる「ストレス反応」に分けられます。子どもの入学や進級、おとなの異動や再就職など「環境の変化」は、新たなストレッサーになります。そして、日常生活で抱えている通常のストレッサーにプラスされると考えてください。一般的に、通常のストレッサーが80~90%の人は、「環境の変化」という新たなストレッサーにより約20%プラスされるので、100%を超えてしまうことがあり注意が必要なのです。
■70%の力で安全運転を心がけよう
新しい環境になると、つい120%の力を出してしまうことがよくあります。子どもも気分が上がってしまってブレーキが利きにくくなるので注意しましょう。70%を心がけていると、突然のトラブルでも何とか乗り越えることができます。
■家族や友達などのサポートを大切に
1ヶ月目は、不安が高くなるので夫婦や親子のコミュニケーションが大切です。情報を共有したり話すことでスッキリしましょう。2ヶ月目は、余裕がなくなりイライラが多くなります。後回しにできることは先延ばしに限りますね。
■うまくいかないときは早期対応
学校で適応できない、職場でうまくいかない時には、早期に対応することが大切です。「ハイリスクな3カ月をいかに乗り切るか」を基本に考えてすぐに行動しましょう。こころの専門家である公認心理師・臨床心理士に相談するのもおすすめです。
その他の記事
-
「人前での緊張や不安」について(2024年3月・4月号WEB版掲載)
入学や入園のシーズンです。子どもたちにとっては、ウキウキワクワクですが、ママにとってはママ友作りや新しい担任の先生との関係などなど、右往左往してしまうようなストレスフルなことが多くなる時期ですね?そこ ...
-
災害・事故のトラウマ、ケア(2024年1月・2月号WEB版掲載)
1月1日の能登半島地震・津波、翌日の羽田空港での衝突事故が起こり、佐世保でも災害や事故にこころを痛めたり不安が広がっているようです。「夫が仕事で忙しくワンオペ状態なので災害のことを考えると心配です」「 ...
-
思春期に入る前に気を付けるポイント(2023年11月・12月号掲載)
「小学校4年生になり、あまり学校のことを話さなくなり無口になった」「以前は友達のことを自分から話していたのに、聞いてもめんどくさそうな態度をとる」「最近、周りの目を気にしてママやパパとは出かけたくない ...