教えて直樹せんせい 育児情報誌ママパパ

ゲームの依存症①(2022年9月&10月号掲載)

「暑い」「熱い」夏休みが終わりましたね。きょうだい喧嘩や夏休みの宿題などストレスで熱くなってしまい、やや反省気味のママ。子どもと一緒に過ごす時間が増えて「うちの子大丈夫かな?」とちょっと不安なパパ。この時期、編集部に寄せられる悩みの中で、目立つのがゲームやネットについての悩みです。そこで、今回は、様々な依存症のカウンセリングを専門としている公認心理師・臨床心理士の吉田直樹先生に聞いてみました。皆さん参考にしてくださいね。

世界保健機関(WHO)は、「ICD-11」において、「Gaming disorder(ゲーム障害)」を新たに分類項目として明記しました。ゲーム依存症は、小・中・高、大学生にもっとも多く認められ、その数は増加の一途で、家庭や医療など包括的な対策が必要になっています。第一回目は、ゲームの依存症の基本的な質問に答えていきます。

小学生の長男は暇さえあればゲームをしています。ゲーム依存かな?と思ったりするのですが、これは病気なのでしょうか?

ゲームをプレイして、ワクワク、ドキドキするのが悪いとか病気というわけではありません。ただ、ゲームの依存症になると、そこには脳内の機能変化が関係していることが問題となります。具体的には、ゲームを繰り返して行うと、子どもの脳は絶えず刺激されます。しかし、しだいにゲームの刺激に慣れが生じるので、この反応は下がっていきます。もし、子どもがゲームに依存していると、この反応の低下を補うために、ゲームにドンドン拍車がかかります。また、自分の行動をコントロールするような脳の働きも低下していると、ブレーキが利かなくなり、どんなことをしてでもゲームをするようになるのです。このようにゲームの依存症は、単なるゲームのし過ぎではなく、脳の働きに変化を伴う依存という病気です。

中学生の次女ですが、オンラインでいろいろな人とゲームをしています。テスト前でも、関係なくゲームをして勉強しないので困っています。ゲームの依存症なのでしょうか?

自分の子どもがゲームの依存症なのかどうか?保護者として心配ですね。まず、「ゲームの依存症なのか?」それとも「ゲームの過剰使用なのか?」2つに分けて考えましょう。「ゲームの過剰使用」と「ゲームによる明らかな問題」との両方がある場合、「ゲームの依存症」が疑われます。一方、ゲームの時間は長いが、それによる明確な問題が起きていない場合には、「ゲームの過剰使用」ということになるのです。したがって、このお子さんの場合は、ゲームをして勉強しないことを保護者が心配しているくらいであれば「ゲームの過剰使用」、ゲームで成績が低下していれば「ゲームの依存症」となるのです。

小学校低学年の次男のことですが、今まで、ミニカーに夢中になったり、ブロックに没頭したり、何かにはまる性格のようです。今はまだ、ゲームはボチボチなのですが、今後、依存するのではないか心配です。親が気づくポイントなどがあるのでしょうか?

小学生の低学年のような年少者のほうが、依存の進行が早い傾向があります。子ども自身は予防ができないので、保護者の気づきが大切になります。早期のゲーム依存の症状は以下の通りです。必要な場合は、早期に依存を専門とする専門機関に相談することをお勧めします。

 

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